君と愛し合いたい
キスをする。体を触る。丁寧に触る。今日の君を感じる。
今日の君、ごはんを食べた後だからかおなかが少しふっくらしている。でも、張りがある感じでぷよぷよはしていない。
君の息が上がっていく。はあはあしてかわいい。小さい声で「ヤミ……」って言う。僕までドキドキしてくる。
君のはあはあが、僕に感染っていく。君の感染症。ものすごく感染力が強くて、空気感染もするし、接触感染もするし、性行為でももちろん感染する。致死の病。
耳を触る。
最近なぜか耳を触りたくなる。耳を触りながら、耳元で「火置さん」って名前だけ言う。君はそれだけでびくってする。
飽きずに毎日ビクってするのはどうして?わざとじゃないよね?
わざとだったら驚くけど、多分わざとじゃない。もうある種の反射みたいなものかもしれない。脚気を確認するアレみたいな。
僕が耳元で喋ると、君は条件反射的にビクってするんだ。他の人ならどうだろう。他の人にさせてみたい。させてみて君がビクってしたら多分僕は不機嫌になる。
耳を愛し終えたら、首をかじっていく。
最近は首を触るより舐めたりかじったりするのが多い。なんでかっていうと、夏だから。汗をかくからしょっぱくて、君の汗を確認したくなる。
今日の汗の味は?汗の味って体調によって変わるらしい。今日の君には甘さを感じる。どうして?したかった?関係ないかな?
君は首をかじる時に小さい声で「あっ」って言う。かじられると興奮するらしくて、もじもじしだす。
前火置さんが言っていた。ヤミに食べられると思うとドキドキするって。かじると食べられると思うのかもしれない。
僕は肉食獣。主食は君。副菜も君。デザートだってもちろん、君だ。これを言ったら怒られそうだけど、ドリンクだって、全部。
君はちょっと怒った顔をしている。どうしたんだろう。僕は「どうしたの?」って聞く。僕は疑問をそのままにしない。基本的にはすぐに解決したい。謎は絶対に解き明かしたい。
「私だって、触りたい…」
火置さんが言う。僕ばっかり触ってた?ごめん、ついつい夢中になっちゃって。
「いいよ、触って。どこを触りたい?」
「全部だよ……全部触りたい……」
火置さんが言う。火置さんは僕の頭をなでてから、おでこをなでて、頬を包んで僕を見つめる。
見つめている内に、彼女の瞳はどんどん潤んでいく。彼女の感受性の豊かさにはいつも感心する。彼女の心はとても動きやすい。宙に浮いた水晶玉みたいに、ふわふわとしていて、ちょっとした刺激ですぐに動く。
でも、絶対に軸はぶれないんだ。宇宙に浮かぶ星みたいに、その場所から離れることはない。
火置さんは首を包み、胸を触り、肩を撫でて、僕の腕を触っていった。下に行くたびに、彼女は切ないため息を漏らす。彼女のため息はいつもとても苦しそうだ。眉をキュッと寄せて、目をぎゅっとつぶって、唾を飲み込んで、肩をあげてから「はぁ…っ」っと息をつく。
「そろそろ僕も触っていい?」
「うん……」
火置さんが眉を下げてこっちを見る。僕はこの顔がすごく好き。困った火置さんの顔。
いつもは顎を引いて瞳を強くして前を見つめている君。僕と抱き合うときは、眉をさげた困った顔をよくしてくれる。僕は君を困らせたいのかもしれない。
僕は『火置さん触り』を再開する。首をかじったから……次は、胸。僕は自他(火置さん)共に認める『お尻派』だけど、最近胸もかわいいなあって思い始めてる。ちょっとしたマイブームなのかもしれない。
クリトリスを触る時みたいに優しく優しく、触れるか触れないかくらいの優しさで、乳首をくりくりと触る。火置さんが「ヤミ……」って言いながら僕の腕を触る。すがるみたいに、さわさわと。興奮を抑えるためか、目をつぶって下を向いて何かに耐えるみたいに。
ああ、かわいい。どうしよう。乳首を吸おうかな。それとも舌でツンツンしようか。キャンディーみたいに舐める?指先で潰すのもいい。乳牛の搾乳みたいにするのもいいかもしれないな。なんでも興奮できる。どれにしようか。
決めた。僕は身を縮ませて君の胸を口に含む。チュウチュウと、舌で乳首を包み込みながら吸い付く。赤ちゃんと同じことをしているはずなのに、君の息はどんどん上がっていく。
母乳を与える時にはきっとはあはあしないだろ?どうして僕だとはあはあしちゃうんだろう。それとも君は、赤ちゃんに対してもはあはあするのかな。
……やっぱり僕は子供なんていらない。絶対に嫉妬してしまうから。子供に嫉妬する親なんて……ましてや母乳を吸うことにライバル心を燃やす親なんて、気持ち悪いと言われても仕方がない。……僕は『親』に向いていない。
火置さんはビクビクしながら、僕の吸い付きに耐えていた。僕が口を離すと、のぼせたような顔をしてこっちを向く。破壊力がすごすぎる。どうしよう、もう入りたい。まだ下を触ってないけど、入ってから触ればいいかな。
「火置さん、下、どうなってる?」
「はあ…はあ…どうなってる、って……」
「もう、入る準備できてる?このまま入っていい?それとも触って欲しい?」
「入れる、よ……すぐ入りたいの?おいで……」
「……ありがとう」
火置さんはたまに、母性が溢れてることがある。胸を吸われて、お母さん気分になってしまったのかもしれない。
でも、お母さんは下を許しちゃいけないけどな。火置さんの子供に生まれなくて本当によかった。……まあ、生まれたとしても関係なく愛するけど。周囲に反対されたら、僕は気にしなくても火置さんがかわいそうだし。
「入るよ」
「ん……」
控え目に脚を広げる火置さん。僕は自分を手で支えながら、ゆっくりと彼女の中に入っていく。
彼女の入口は僕の先端を飲み込み、その先も飲み込み、奥へ奥へと僕を誘っていく。
彼女の脚がどんどん開く。肩で息をしている。僕は彼女の奥までたどり着く。