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第一章 8月の前半
第二章 8月の後半
※近日公開
第三章 9月から10月
※近日公開
あらすじ
自分の信仰に従って大学の同級生を殺し、死刑を宣告された『灰谷ヤミ』。
時空を超えてヤミが捕まっていた独房にやってきた、世界を救う魔法使いの『火置ユウ』。
孤独な二人は惹かれ合い、魔法の力で脱獄して『閉ざされた夏休みの世界』に来てしまった。
ユウへの気持ちが抑えられないヤミと、ヤミが気になりつつも今までの関係が心地良いユウ。
そんな二人は、『生まれて初めて手にした平穏』と『二人っきりの世界』の中で、どんな毎日を送るのか……?
一途すぎる歪んだ思いや、本心と理想が生み出す矛盾と葛藤。
求めるもののためなら死ぬことを恐れない二人の危うく繊細な心の動きは、お互いの関係を強くしたり、危険な方向へ導いたりする。
これは、そんな二人が過ごす夏休みの物語。
魂が震えるほど惹かれた相手と二人きりの世界に閉じ込められてしまったら……あなたならどうしますか――?
本作へと繋がる前作の詳しいあらすじはこちら
各章の解説
第一章 8月前半
夏休みの世界に来た二人。もっと近づきたいヤミと、友人同士の関係が心地よいユウ。
第二章 8月後半
二人の穏やかな生活に訪れる転機。水族館での告白。葛藤。結ばれる二人。
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※準備中
第三章 9月から10月
二人の夏休みの2~3ヶ月目。平日と休日のサイクルが始まる。
ひたすらユウを求めるヤミ。元の世界に戻った時のため、ストイックに生活リズムを維持しようとするユウ。求め合う二人。冷たい雨の日に、突然のノックの音。
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※準備中
第四章 11月から12月
二人の夏休みの4~5ヶ月目。謎の少年『リュウタ』を加えた三人の生活。リュウタに死んだ弟を重ねるユウ。
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※準備中
※章数未定です。
登場人物
灰谷ヤミ(22)
元大学生の死刑囚。男。
夕闇色の髪、金色に見える瞳を持ち、長身で細身の体型。母は病死、父は事故死で天涯孤独。
『悲劇的な人生』を歩んできた彼は死刑を心待ちにしていたが、魔法使いの火置ユウと出会い生きる意欲を取り戻す。
物腰穏やかで素直、思慮深い性格だが、一つのものを信じ通す異常な執着心があり、極度の知りたがり。そして見かけによらない負けず嫌い。
正直者かつ『自分をよく見せよう』という考えが希薄なので、『普通に言ったら引かれそうなこと』も気にせずそのまま言ってしまう。
好きなものは、海と空と猫と本。嫌いなものは、うわべだけの会話と考えなしに話す人。
趣味は読書とランニングとスイミング。特技は、暗記とバックギャモンと将棋。
火置ユウ(21)
旅しながら生きる魔法使い。女。魔法使いになるタイミングで家族を殺されており、こちらも天涯孤独。弟がいた。
黒くウエーブしたセミロングの髪、宇宙色の瞳、やや小柄。マントのようなストールや胸当て、ボロボロのスカート、皮のブーツといった旅の装束に身を包む。
11歳の時に時空の渦に巻き込まれて魔法使いになってからというもの、『時空の魔女』として崩壊しそうな世界を直す仕事をしている。自分の仕事に誇りを持っている。
個人主義者でプライドが高い自由人。感受性が高いところが強みでもあり、弱みでもある。
周囲に入れ込みすぎずクールでいることを心がけているものの、感受性の高さゆえにクールに徹しきれないことも。
好きなものは、パンとチーズと魔法と見たことのない景色。嫌いなものは、全体主義と多数決。
趣味は、読書、歌、「魔法書」の執筆。特技は炎の魔法とナイフ投げ。
リュウタ
二人の暮らす家に突然やってきた少年。ツヤツヤとした黒髪でくりっとした目を持つ、サッカー好きの美少年。
家族と離れ離れになったといい、二人とともに暮らすことになる。ユウに姉の姿を重ね、懐くようになる。
砂岡アオイ
灰谷ヤミが殺した男。ヤミの大学の同級生だった。眉目秀麗成績優秀だが、血を見るのが好きなサイコパス。灰谷ヤミは彼を『悪の中の悪』だと判定した。
ヤミの夢に出てくる、記憶の中の存在。
カミサマ
怪しげな刑務所を管理する、不気味で奇妙な男。世界に異変をもたらす『時空の|歪《ひず》み』から生まれた人外。本人曰く『不老不死』とのこと。
『全人類を自分に信仰させること』が彼の目的。灰谷ヤミの人生が『悲劇的』になった原因を作った張本人。なお、ヤミが信じる『神様』とは全くの別物。
2メートルもあろうかというほどの長身に長い手足。ひょろっとした体型。顔は若く見えるが、髪もヒゲも真っ白。
ヒゲは豊かで、いわゆる『神様っぽい』白づくめの装束に身を包む。見ている人を不安にさせるアンバランスな出で立ち。
やたらとハキハキした喋り方が胡散臭いうえ、話が長い。
※「カミサマ」の刑務所に囚われた二人の物語「刑務所編」第一話はこちら