※「夏休みの夕闇~刑務所編~」第三章後半あたりを想定しています。
※二人がバッドエンドを迎えたらというイフストーリー。閲覧にご注意ください。
独房のベッドにうつ伏せに寝転んで本を読んでいる火置さん。最近の彼女は1日中部屋着を着ていて、ブーツを履くことも滅多になくなった。
僕は、肘をついた姿勢で寝そべる火置さんを盗み見る。肩から背中にかけての滑らかな下り坂。一番谷になった腰のくぼみの先は、お尻の丸みが目立つ。
……よく見ると、火置さんはお尻の大きなタイプみたいだ。太ってはいないけど、上半身に比べて下半身が柔らかそうに見える。
火置さんを見ている自分の身体に、妙な変化を感じる。…………あれ、大きくなってきた?……すごく久々な気がする。なんだこれ、どうしよう……マズイな。
でも、どうする?独房の外のトイレで処理したいけど、鍵がかかっているから外には出られない。この部屋にもトイレはあるけど……無言でするのは不可能だし、流石に長過ぎて怪しまれるだろう。
しょうがないな、目をつぶって鎮めよう。
……
……
…………………………なんで?ヤればいいじゃん。
……何言ってる?
…………………………自分でも気づいてるだろ?
……何を。
…………………………お前、最近腹の奥では、彼女のことを『そういう目』で見てるよ。
……まさか。彼女はいい友人だ。
…………………………密室に二人きりで自分が抑えられなくなるから、むりやり友人だって思い込んでるんだろ?もっと気軽にすればいいのに。受け入れてくれるかもよ?ダメでも、力づくでしちゃえばいい。だってお前はもう死ぬんだぞ?ヤるなら今だよ。
……忘れたのか?強姦したら地獄に行くんだよ。
…………………………本気で言ってる?お前は誰とも交流がなくて暇だったから、自分ルールを必死に考えて頭の中で遊んでただけだろ?
でも今は暇じゃない。『彼女がいる』。彼女との生活を、骨の髄までしゃぶり尽くせばいい。現世で思い残すことがなくなれば、天国だとか地獄だとか考える必要もなくなるさ。
……やめろよ……変なこと、考えるなよ。
…………………………変なことか?本当はずっとしたかっただろ?22歳の男だよ?したくて当然だ。
……火置さんのことを、怖がらせたくはない。
…………………………でも、怖がった彼女も見たくない?いつもクールな火置さんが怖がったところ。ゾクゾクしそうだよな?
…………
…………………………悪いけど、気づいちゃったよ?お前もう『自分の神様』より『火置さん』のことが気になってる。彼女を知るためなら何でもできるだろ。死刑まであと20日位しかないんだから、今から死ぬまでに徹底的に知るんだよ。どこを触ったらどうなるか。何を言ったらどう反応するか。いい部分だけじゃなく、恥ずかしい部分も、つらい部分も歪んだ顔も全部だよ。
………………
…………………………おい、聞いてる?
…………彼女は……許してくれる?
…………………………許してくれるさ。世界を救う魔法使いの火置さんだよ?世界を救うように、お前のことも救ってくれるよ。よかったじゃん、彼女がここに来て。
…………………………
僕は立ち上がる。彼女のベッドに向かって、ゆっくりと歩く。窓の外には夕暮れの気配。雲が美しい。
彼女はまだ気づかない。本を読んでいるときの彼女は真剣だ。世界に入り込んでいる。僕がベッドの横に来たことも、気にしていない。僕は彼女にとって、本よりも下の存在だと思う。
僕は彼女の足側に立っている。静かにベッドに膝をつき、うつ伏せになっている彼女の足元に跨る。身体を倒して彼女の背後に密着し、両腕を滑り込ませて腰を抱える。腰があまりにも細くて驚く。火置さんの腰って、こんなに細かったんだ。僕の性器は信じられないくらい固くなって、彼女の尻のあたりにぶつかっている。
「!?ヤミ、なに……!?」
「すごく……真剣に本読んでたね」
「ちょっと……!離してよ、どうしたの……!?」
「どうしたのって……本気で言ってる?当たってるの気づかない?」
「気づいてるから、言ってるの……!落ち着いてって、いきなりじゃない。なんで……!?」
…………すごく抵抗するんだね。悲しい。心が痛い。受け入れてほしいのに。……でも、僕は嫌がってる火置さんも見たかったんだ。だから、いいか。
「……火置さんは、許してくれるよね?」
「なに……を」
「僕のこと、許してくれるだろ?」
「許すって……」
「もう、我慢するのやめたんだ。死ぬまでに火置さんのことを全部知りたい」
「待って、自暴自棄にならないで……!」
「自暴自棄?違うよ、気づいただけだ。僕、神様なんてどうでもよかったのかも。ただ誰かと愛し合いたいだけだった」
「……ヤミ……愛し合うって……」
「……これは愛し合ってないって?でも、火置さんは優しいじゃないか。出会ってたった数日だけど、僕のこと愛みたいな何かで包んでくれてたと思う。君の優しさを僕はちゃんと感じてたよ。もっと感じたい」
火置さんは何かを言いたそうで、でもうまい言葉が見つからなかったのか、小さく「ヤミ」とだけ言った。
ほら、君は優しい。僕が君の愛を求めているんだってことに気づくと、強く出れなくなってしまった。
『ただ性欲を発散させたいだけ』な雰囲気を感じたら、君は全力で抵抗したんじゃないか?
でも今は、考えあぐねてる。拒否すべきか、説得すべきか、それが問題だ……ってところか。
だけど『受け入れる』って感じではないな。やっぱり、ダメ?僕を受け入れてほしいんだけど。
……ダメか。ダメだとしても……もう遅いんだ。僕は今日から君を『全部知る』ことにしたから。
君が拒み続けるなら…………そう、決めた。今日は『嫌がる君のことを知る日』。
僕は彼女の腰を左腕で抱えながら、右手をスカートの下に入れて下着を取り去る。部屋着はゆったりとしていて、簡単にそれができる。
君は驚いて、少し暴れる。でも後ろから男に乗られているから、うまく抵抗できない。……魔法も使えない、僕も振り払えない。君はとても弱い。
さっきまで冷静だった僕も、興奮で息が上がってくる。彼女の耳元に口を近づけて、僕の息遣いを聞かせる。彼女は僕の吐息を耳に感じて身体を少しピクリとさせる。……あれ、感じてる?どうしよう、ドキドキしてきた。
僕のモノの硬度はすでに最大になってるから、多分いつでも入れる。押し付けるようにスライドさせればねじ込めるだろう。彼女のスカートをお尻が見えるようにたくし上げる。うわ……白くて丸いお尻。身体を押し付けると柔らかく沈む。気持ちいい。これをするだけで幸せになれそう。
……でも今はそれどころじゃない。……気になる、彼女の秘密の部分が。友人にだって見せない、彼女の弱点。しっかり見たいのに、体を押さえつけなくちゃいけないから、うまく見られない。
気持ちが抑えられなくて、僕はお尻の間に手を入れて彼女の柔らかい部分を触る。……すごい……すごく柔らかい……。ぷにぷにして、マシュマロみたい……お尻も弾力があって気持ちいいけど、こっちは何かもっと、しっとりと包み込むような柔らかさで溶けるような繊細さがある。ああ、早く入りたい。もうダメだ、入れよう。その後のことは、入れてから考えればいい。頭が狂いそう。早く入りたい。
(続く)
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